第1回 干潟の生物観察
8月16日、沖縄市の泡瀬干潟には沖生教研の野外観察会への参加者28名が集まっていました。午前中は風が強く、時折、激しい降雨がありましたが、心配された天気は観察会直前に回復し、青空が広がりました。夏の日差しの下、泡瀬干潟全般の説明を前川盛治先生(泡瀬干潟を守る会)に、潮間帯で暮らす陸生の節足動物を佐々木健志先生(琉球大学資料館 風樹館)にしていただきました。また、観察会に参加なさっていた鹿谷法一先生(南城市教育委員会)には、急遽、干潟に生息する甲殻類についてガイドをしていただきました。今回、リュウキュウサルボウガイ、ハボウキガイ、ミナミコメツキガニ、コメツキガニ、トカゲハゼ、オキナワヤワラガニ、ヤマトウシオグモの巣やイソタナグモなど、干潟に生息する多くの生き物を観察しました。しかし、それはこの干潟に生息する多様な生き物たちのほんの一部です。今回は観察できませんでしたが、他にも新種のホソウミヒルモやユンタクシジミ、ザンノナミダ、絶滅危惧T類のクビレミドロ、ホソエガサなど、新種や貴重種が数多く生息しています。もっと時間をかければ、時期を変えれば、さらに多くの生き物を観察することができます。
一方、この貴重な干潟は埋め立ての危機に直面しています。県内でも有数の、この自然豊かな干潟を保全し、後世に残していくことが強く望まれました。
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講師の解説に耳を傾ける参加者。干潟環境の生物の多様性の高さと、海の生物たちをはぐくむ貴重な環境の一つであることを実感することができました。 | |
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砂茶碗と呼ばれるタマガイ類の卵塊 |
独特の形をした二枚貝、ハボウキガイの貝殻。 |
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巣穴から顔を出したトカゲハゼ |
世界でも、沖縄島の安波川とここ泡瀬干潟でのみ生息が確認されているオキナワヤワラガニが観察できました。 |